相談と回答「ハローワークで再就職手当が出ないのはなぜ?」|派遣法改正から3年・あなたの“今”をお聞かせください|派遣労働者の皆様へのアンケート
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Q.

ハローワークで再就職手当が出ないのはなぜでしょうか?

回答日:2018/10/10

再就職手当の支給を受けるには以下の全ての要件を満たす必要があります。

[1]有期雇用契約が期間満了で終了した場合にハローワークで失業給付の申請をしても7日間は「待機期間」として失業給付の支給を受けられませんが、再就職手当の支給をうけるためには、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したことを要します。

[2]就職日の前日までの失業給付の給付日数の残りが、所定給付日数の3分の1以上あること(たとえば、待機期間が過ぎて6月1日から失業給付の支給が開始された失業者で、所定給付日数が90日の場合、8月29日が90日目になります。この方の場合は7月29日までに就職しないと再就職手当の支給は受けられません)。

[3]離職した前の事業所に再び就職したものではないこと。また、離職した目の事業所と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業所に就職したこと。登録している同じ派遣会社から別の派遣先を紹介されて就業する場合は再就職手当は受給できません。

派遣先との派遣契約の期間が満了して、一時的に仕事がなくなり、次の派遣先を考えたときに、再就職手当を受給したいのであれば、別の派遣会社に登録をして働く必要があります。別の派遣会社に新たに登録をしていたりすると再就職までに時間がかかって、再就職手当の金額が下がったり、再就職手当がもらえなくなったりする可能性があります。

[4]受給資格にかかる離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込をしてから、待期期間満了後1ヶ月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであることこれは自己都合退職など待機期間が3ヶ月などを対象とする要件です。待機期間が長い場合に、待機期間の最初の1ヶ月目までに就職が決まった場合はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職に限られます(知人の紹介や新聞広告などによる就職の場合は再就職手当の支給は受けられません)。

[5]1年を超えて勤務することが確実であること派遣の場合は契約期間が1年を超えるということはほとんどなく契約期間は3ヶ月のケースが多いですが、このような場合は契約の更新の可能性があって、1年を超えて就労する可能性があるか否かで判断されます。具体的にはハローワークに提出する「再就職手当支給申請書」に派遣会社が「更新の見込みあり」という記載をしてくれれば、この要件は充たすことになります。

[6]原則として、雇用保険の被保険者になっていること前職も派遣である場合、同じ派遣会社に1年以上雇用され、1週間の所定労働時間が20時間以上であった場合は加入していると思われますが、雇用保険に加入していないこともあるので注意を要します。

[7]過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと(事業開始にかかる再就職手当も含む)

[8]受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。

再就職手当が出ない理由としては、上記[1]から[8]までの要件のいずれかを満たしていなかったことが考えられます。特に派遣の場合は要件の[3]と[5]により、再就職手当の支給が認められないことが多くなると思われます。

そして相談者様の場合、おそらく[3]の要件を満たしていないということだと思います。制度を変えない限り、現行の制度の下では派遣の場合は再就職手当の受給においても高いハードルがあるというのが実情です。

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