Q.
10年以上今の派遣先で働いていますが、来年以降も今の派遣先で働いていけるのでしょうか?
また派遣元事業主が、無期の派遣労働者には交通費を出していますが、有期の派遣労働者には交通費を出していません。これは何か問題にならないのでしょうか?
回答日:2017/10/23
1 2018年4月以降も契約が続いていれば、以下のとおり、派遣元に無期雇用に転換するように申し入れたり、派遣先に直接雇用するよう求めたりすることができる可能性があると思います。
(1)派遣元との間の有期雇用契約が継続する場合
今後、あなたが派遣元と有期雇用のまま、抵触日を超えて派遣先の同じ部署で就労していた場合、直接雇用の申込みみなし規定の適用の可能性があります。
この規定の適用があった場合には、派遣先から直接雇用の申し込みがあったと見なされますので、あなたの方から、雇用契約締結に承諾するという通知さえ行えば、派遣先との労働契約が成立します。
みなし規定で雇用が成立する場合でも契約内容は、派遣元との契約ですので、たとえば、派遣元との契約が6ヶ月の契約であれば、派遣先との間に成立する契約も6ヶ月となります。みなし雇用=正社員ということではありません。
もし長年にわたり派遣先で働き続けたいということであれば、直接雇用が望ましいのではないでしょうか。派遣先の意向が続けて働いてほしいというものであれば、みなし規定の可能性があるのだから、直接雇用してほしいと交渉してみるのは一つの選択だろうと思います。
(2)無期転換の利用による派遣元との契約の無期転換の利用について
平成25年4月1日以降に更新された契約以降で通算して契約期間が5年間を超えれば、労働者の側から、会社に無期契約に転換してくれというと、無期での雇用契約が成立します(会社の承諾は不要です)。
したがって、仮に平成25年4月1日に更新があり、その後ずっと更新が続いて、来年の4月にも更新があれば、その後、契約が続いている間は、いつでも派遣元(すなわち雇用主)に対して無期の契約に転換するように求めることができます(仮に現在の契約の期間がすでに来年の4月を超えている場合は、現在から無期転換を求めることができます)。
この際、契約期間以外の賃金等の労働条件は、就業規則等で特別な定めがない限り、それまでと同様です。
2 交通費について
派遣元事業主において、無期契約の場合には交通費が支給され、有期契約の場合には交通費が支給されないというのは、契約期間の定めによって不合理な差別をしており、労働契約法20条に違反するのではないかと思います。